えっ?椅子が足りない!?
木枯らしも 吹き飛ばしたよ 起雲閣 へんちゃか ぺんちゃか
なんじゃと?
三時間を上回ったとな!
じゃろうよ、柚坊、ずいぶんとはりきっておったからのう。前の夜は、全然、眠れなくて、布団の中で、寝返りばかりじゃったようじゃ。音響のもろ氏に、「遠足の前の子どもじゃないんだから…」と、いさめられておったのう。ま、それだけ、緊張、期待、興奮しておったんじゃな。ま、とにかく、当日、最後まで、ちゃんと声が出たから、まずは良かった、良かった。
来てくださった全国の皆の衆、ほんに、ありがとうのう。
ああ、まいった、まいった。
まったく寝付けなくてさ~、もう、イライラしちゃうし、あせるしね。
体も、のども、心も頭も休めなきゃ…そう思えば、思うほど、目はさえるばかりさ~!結局、ようやく眠りについたのは、明け方の4時半なんだよ。まいった、まいった。会場に行くまでの電車の中、今度は眠くて、眠くて…。これまた、まいった、まいった。
ああ、そうでした。
何をぼやいているかって言ったら、19日に開かれた熱海、起雲閣でのコンサートなんだけどね。
幸い、天気にも恵まれて、そんなに寒くもなく、おだやかなお日様に見守られての一日の幕開け。
それだけでも感謝。ああ、きりっとした朝の冷たい空気。
会場に着けば、音響スタッフは、すでにエンジン全開!そして、続々と出演メンバーも到着し、めいめいの準備を黙々と進めているわけ。そんな雰囲気に包まれているだけで、「おおっ、すでに、コンサートは始まっているのだ…」と、ひたすら自分に言い聞かせる、頭の中だけが若いお坊ちゃまなのでありました。
そんなこんなで(どんなこんな?)、リハーサルも開演時刻前に終わり(おっ、珍しい!)、さあ、お客様の入場です。早い方は、なんと9時から待ってくださっていたとか!寒い中、本当にありがとうございました。
ところがです!ところが、ところが、おっととどっこい、とっとことい(?)
開場したとたん、やおやの内野さんはじめ、お手伝いをしてくれている方々が、慌てふためいているではありませんか!
「椅子が足りない!なんで~!」
「おかしい!何べん数えても、合っているはずなのに~!」
前日までの情報で、人数も割り出して、すでに前夜、椅子を並べていたのにね、それがさあ、うれしい誤算!ふたを開けたら、足りないわけさ~!そうさ~!
「一人で来るつもりだったけど、友達を誘って来てくれたんだって。」
「都合がついたから、申し込んではいなかったけど、駆けつけてくれたんだって。」
まあまあ、ありがたいじゃ、あ~りませんか。
次から次へと運び出される椅子を眺めながら、「うっひょっひょ」と微笑むお坊ちゃま。ますます、やる気満々のバンドメンバー。がぜん、プロの顔になっていく、じいじ…。三者三様の変化がうずまいている控え室なのでありました(ただ一人、バンマスのヘビメタ兄貴進ちゃんだけは、ひたすら、カレーを口に運ぶのであった…「うまいぜ、からいぜ、ベイビー」…)。
さ~て、さてさて、この日の一曲目。
何だと思います?
たぶん、当たらないなあ(じゃ、訊かないでよね~!)。
それはね・・・ジャジャジャジャ~ン!
「夢があれば」!
そうです、そうなんです!
なんと、一曲目から、それも、お坊ちゃまもピアノを弾いての「夢があれば」なんですよ。
それが実現できたのも、つまりは、このメンバーだからこそ!
2009年の起雲閣コンサートでは、DVDのためのカメラが4台も入って撮影。
心なしか、お客様も緊張(しかも、きれいなお洋服)。もちろん、ボクも緊張。最初の「悲しみつもるその前に」で、すでに泣いてしまったというお坊ちゃまでしたからねえ。ええ、ええ。DVDを観てもわかるし、ライブCDを聴いてもわかるし。しか~し、2010年の起雲閣では、大丈夫。ゆったりと歌わせていただけました。経験が、人を作る…そのとおりですなあ。いやあ、ほんと、ほんと。
プログラムの中で、印象的だったのは、あのロック調の「とっておきの一人」を初めて、生バンドで再現したこと!白石さんのアルトサックスが、か~、泣いているんだなあ、ベイビー。
「ぼちぼちゆこう」なんかは、ライブハウスの空気感だし、なつかしい曲もあるし、「テレパシーを送ります」では、出演メンバー全員で踊っちゃったしなあ(いやがらずに、一緒にやってくれること。すばらしいアーティストばかりなんだよねえ)。
いいなあ、いいなあ、こういうほのぼのさが、たまらないんだよなあ。みんなが楽しんでいるから、会場の皆様ともひとつになれるんだね。いつもの言葉だけど、「相乗効果」!これこれ!
だからさ、一部最後の「歩いてゆこうMovin’On!」なんか、そこらじゅうから「フ~!」の叫び声が響き渡って、初めての方は、口が開いたまま!目はキョロキョロ動いたまま。それなのに、ああ、それなのに、つい、お隣さんにつられて、「のらなきゃ損、損」「やらなきゃ損、損」とばかりに、雄たけびを上げる皆様なのでありました。
この日、なぜかは知らねど、来てくださった皆様の顔が、はっきりと目に飛び込んできたんです。
顔が、と言うよりも、その人の生きてきた証?っていうのかなあ、その方の「歩み」がくっきりと浮かんだんです。
雑誌に載っていた「天まで駆けるよ」を職員全員に興奮しながら教えた、とある先生の高揚した顔。
2009年、だんなさんの急な病で、来れないはずだったのに、「楽しみにしていたんだから、行こう。もう大丈夫だから」という、すてきな夫婦の絆。
たった一人で学校中に歌を教え、そして、学校コンサートを成功させた、校長先生の情熱。
2009年も参加して良かったから、また母と来ましたと、栃木の先生の優しさ。
昨年も一緒に来て、今年も一緒に…。でも、その友が亡くなってしまったゆえ、一人で涙いっぱい流しながらも、来てくれた方の心。
そして、驚いたのが、初めての教え子が足を運んでくれていたのです!
やおやの内野さんから、予定参加者の名簿を見せてもらったんだけど、さ~っと目を通していたら、あるところで止まったわけ!そう、その名前が、最初のクラスの子と同姓同名!まさか、違うよなあ。きっと、同じ名前の人なんだろうなあと思いながらも、コンサート中に、たずねてみたら…。
いたんです!
いてくれたんです!
彼女が、大きく成長した彼女が、そこにすわっていたのです!
一気に思い出はよみがえり、彼女が真面目に生きている子だったこと、そうじも、勉強も本当にきちんとやる子だったこと。あたかも、自分のことのように自慢してしまいました。
でね、そんなお坊ちゃまのたわいもない話を聞いている会場中のまなざし!
これがいいのですよ。まるで、その子をその頃から知っているような顔つきで、彼女を見つめてくれるわけなんです。なんか、その瞬間、「やっぱり、みんな地球の家族なんだなあ」って、ほのぼのとしてしまいました。
新曲の「勇気の一歩」も、受け入れてもらえたし(後日、届く感想の中で、この歌のこと、たくさん書かれていましたっけ)、ジャジーな「DREAM,TOGETHER」「ありがとう大好きさ」では、ノリノリになってくれたし、最高の至福のとき、瞬間でした!
最初に、プログラムは渡さない。
これが、やおやの内野のやり方。
なぜかって?
だって、その方が、楽しみがふくらむでしょ?ワクワク感が増大するでしょ?
はなっから、「あ、一曲目はこれね。で、次はこうかあ。で、最後は、あ、これね。はいはい」じゃ、味気ないでしょ?人の気持ちがわかる「やおやの内野」、みかんも、うまい「やおやの内野」(ご注文は、同じ電話番号で~)
ってなわけで、最後の最後まで、どんな曲が出てくるのか、全然わからないわけ。それゆえ、期待感、想像力も増すってわけですよ~。
「あたしのお気に入りの歌が、まだ、出てき~ひん!」
「どないなってんねん」
「歌うまで、帰らへんで~」
「そや、そや。歌わへんなら、歌わせるまでじゃ、ゆず坊ちゃん…じゃ!」
この日の最終曲目。
何だと思います~?
たぶん、当たらないなあ(じゃ、訊かないでよね~!)。
それはね・・・ジャジャジャジャ~ン!(あれ、どこかで読んだような気が…)
それはね、小学校コンサートで、生命のつながりを話しながら歌う曲「そしてぼくらは地球」なんです!最近は、あまり、ホールのコンサートや研修会では歌わないので、大人の方には耳になじんでいない曲なんですが、もう、何百回(もしかしたら、千回近く)と歌ってきた大事な曲なんです。
ただね、いつもは、カラオケで歌うばかり。しか~し、今回は、すばらしい伴奏陣に囲まれているので、もちろん、お坊ちゃまもピアノを弾きながら、歌うことにしたんです。
リハーサルの時にね、すぎすぎブースカがね、涙目で言うわけさ。
「超感動した~!」
これだけで、こっちまで涙目!
音響のモロちゃんもそうだし、例の予算がないあの人も同じ。
じいじでさえ、「こりゃ、ええのう。」
みんなから出た言葉は、ひとつ。
「本番で、泣いちゃうよね~。だよね~!」
はい、泣きませんでした!
泣きたくなかったさ。
最後まで、ちゃんと歌いたかったからね。
だって、歌は歌わないと、歌にならないでしょ?
最初の教え子の香織ちゃんに、届かないじゃん。
先生は、先生を辞めちゃったけど、思いは変わっていないんだよって、伝えたかったしね。
帰り際、たくさんの方に声をかけていただきました。
「来て、良かったわあ。」
「また、来年もあるんでしょ?」
「友達、もっと誘うからね。」
そして、極めつけは、
「これ、また、CDになるんでしょ?」
「・・・。」
そう言われると思っていたんですよ。
ってなわけで、ちゃんと、エンジニアの徳ちゃんにも来てもらって(決めたのは、コンサートの三日前)、ばっちり録音しておきましたよ(音響モロちゃんにしかられちゃった!中山さん、もっと早く決めておいてくださいよ。こっちだって、準備が必要なんですからね!ああ、アイドルは困る、困る。わがままで…)。
あとは、これから、時間をかけて、CD収録可能時間の80分ぎりぎりまで編集しますね。ご期待ください!たぶん、発売は、新しいアルバムと同時…かな?ただし、限定生産なので(だって、予算がないから~)、予約はお早めにね。お問い合わせは、ゆずりんお坊ちゃまにどうぞ。
ああ、一気に書いたら、疲れちゃった。
まだ、年賀状、書いてないしなあ。ってなわけで、まったねえ。ユッズヨ~ン!
電子郵便もいいが、郵便局の回し者ではないが、やっぱり、年に一度くらいのお便りは、ええもんじゃのう。それも、できたら、一言でもいいから、自筆文があったら、さらに、ええのう。柚坊、そこにこだわっておるんじゃわい。しっかしな、あまりにも数多くの方に出会っておるで、「あれ、この人、誰だっけ?」そうじゃよ、顔と名前が一致しないみたいなんじゃ。そこんとこ、許してやってつかあさいよ。ま、そんな歳でもあるんじゃのう。どっひょっひょ。ほんだば、まったのう。ジッジヨ~ン。
ありがとう ただただ あなたに ありがとう へんちゃか ぺんちゃか
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