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嬉しいな 歌ってくれた うそみたい!

2006.10.11

寒い夜は 昔話で あったまろ へんちゃか ぺんちゃか

そりゃあ、人里離れた山あいの村じゃったぁ。
小さな小学校には、47人のめんこい童がおったそうじゃぁ。そこにユズ坊が来るっちゅう噂が、山越え谷越え、中学校の衆にも伝わってのう。「おらたちも行くだべさ。」「ぅんだ、ぅんだ。」「行ぐべ、行ぐべ。」「せんせ、頼んでくだっせ。」てなわけで大騒ぎになってのう。困り果てたせんせ、ついに腰を上げて、24人の中学生を山越え、谷越え、連れてったそうじゃぁ。
せば、今宵は、ここまで…へんちゃか、ぺんちゃか。

って、じい!そこで終わり?
まったく、無責任なんだから(って、そんな言葉がお坊ちゃまから出ようとは)。
仕方ないので(し、仕方ない〜?)お坊ちゃまが、代わりにお話しましょうね。
そうさ、そりゃあ、寒い晩じゃったぁ…。えっ?何?もう、その語りは良い。こりゃまた失礼しました。では、いつもどおりに。

写真
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というわけで、静岡市の玉川小学校を紹介しましょうね。
市街から遠く離れた、山あいの静〜かな町。全校児童47名と言う小さな学校です。せっかくだから、玉川中学校24人も参加するよ、という連絡があり、「えっ?ちゅ、中学生…」と絶句してしまったお坊ちゃま。そうです、この日記を読み続けてくださっているあなたには、もうおわかりですね。こちらを見てはいるものの、手拍子も手話もいっさいしてくれない中学生…。だけど、感想文は素晴らしい中学生…。その時には表現しなくても、寒い渡り廊下で、ずっと待ち、握手を求めてくれた中学生…。

そんな不安を抱えながらも、コンサートは、小中学校の二人の男性教諭、その漫才から始まったのでした(なんと、二人とも大学の同期生。お坊ちゃまの学年って、変な人ばっかり…)。いつものごとく、「ユズリ〜ン」と呼んでもらったんです。す、すると、な、なんと、そ、そうです!ちゅ、中学生が、さ、叫んでくれたのです!(はい、ちょっと太目の声で、口に手を当てつつ、下向き加減の昔のアイドル親衛隊のように、せ〜の、「ユッズリ〜ン!」ご協力、ありがとうございました、ありがとうございました。)

写真驚き半分、喜び半分、感動半分、涙半分…うん?これじゃ、足したら1を超えるって?(確かに。まるで今村じいじの計算だ、こりゃ。そうそう、この写真を見てくださいな。じいじったら、ラジオ番組の打ち合わせ中に、お坊ちゃまが最初に作ったカセットテープを、おでこに貼り付けて遊んでるんだよ!自然にくっついてしまうとは…!恐るべし、吸着力!) 

さて、話を戻して…さらに、驚きは続くのでした!と言うのは、『笑顔がかさなれば』で、なんと手拍子をしてくれ、しかも手遊びまでしてくれたんです!隣にいる小学生と、手を合わせる中学生の姿を想像してみてくださいな。ね、涙が出ちゃうでしょ?でもね、ここで泣いちゃダメよ、ダ〜メ、ダメよ!(って、なんかなつかしい歌!)さらに、驚きは続くのでした!と言うのは、『きみとぼくの間に』を中学生も歌ってくれたんです!初めてです!中学生が歌う『きみとぼくの間に』を聞くのは!(びっくりマークが多すぎるって?いいんです!そ!れ!だ!け!驚いたのです!)男子も女子も、み〜んな素直な目で見つめてくれて、話を聞いてくれて…。まさに、涙なくしては歌えない、そんな場面になってしまったのでした。ところが、お坊ちゃまは、泣くなんてもったいないと、見つめてくる目を見つめ返し、熱く、熱〜く語ってしまったコンサートになってしまったのでありました。

てなわけで、終了後スタッフに、
「途中から、スイッチが切り替わったら?」
「そうそう、テンションが一気に上がっていったのがわかったずらよ。」
「なんか、今日のコンサートって、微妙に、難しい言葉を使ってたぜ。」
「あれじゃあ、中学生対象のコンサートだったよなあ。」
と突っ込まれてしまったのでありました、はい(ちょっぴり反省お坊ちゃま)。

写真アンコールの『友達っていいな』で、中学生の男子全員(と言っても、10人くらい)に前に出てもらい、手遊びをしてもらい、大盛り上がり。不思議なことに、中学生の中にいてもなんら違和感のないお坊ちゃまでした(えっ?そりゃ無理があるって…。はいはい、ですからね、遠目でのお話でございます。はいはい、頭の中のことでございます。え?なに?それは、中学生に失礼だって?あ、確かに…ごめんなさい)。
いちばんの驚きは、最後の最後に歌った『大きくなっても』。体育館に全員の声が静かに響き渡りました。
「どうして?なんで?どないなっとんのや?なんでやろなあ…?」
そう、小学生が知っているのは理解できるのですが、中学生が歌えるって…?
疑問のまま、終わってみると、司会の変な同期生の漫才コンビが、
「讓くん、この子達は保育園から、きみの歌を歌わされて…じゃない、歌ってきているんだぜ」
と、教えてくれたのでありました。

並び方も、学年とか関係なく、小学生も中学生も、みんな混じって座っていた、そんな地域が生きている、生命を真ん中に置いている、玉川小・中学校コンサートなのでありました(だからって、二時間十分は歌い過ぎなんじゃないの?)。

写真人は、人に生かされるのじゃな。
一人じゃ、ダメなんじゃよ。どんなに面倒なことがあっても、それでも、人は人の中で、育ってゆくんじゃな。うちのユズ坊も、きっと、勉強になったじゃろう。うん?いや、待てよ。ま、まさか、「もしかして〜、これからは、中学生のアイドルにもなれるかも〜!やっぱねえ!うっひょっひょ」なんて、考えておらんじゃろうな。なぜか、不吉な予感がするが、わしだけかいのう?ほんに困ったユズ坊じゃ。どうか、皆の衆、わしの代わりに、しっかと見張ってくだされよ!頼んだでのう。

美しさ みんなが生きていればこそ へんちゃか ぺんちゃか