きゃ〜るがの 鳴いているから 雨ずらよ へんちゃか ぺんちゃか
すっかり梅雨じゃのう。
ま新しい傘、長靴を買ってもらった幼い日を思い出すぞえ。ほうよほうよ、このわしにも、そんな日があったんじゃよ。柚坊よりも、もっとかわいかったんだぞえ、うっひょっひょ。
目が覚めて雨が降っていたら、大喜びしたものじゃ。大事に使えという親の言葉に「は〜い」とは答えておきながらじゃ、いざ外に出れば、わざわざ水たまりを見つけては、勢いよく飛び込んだものじゃよ。傘の骨が折れたら、修理して大事に使ったものじゃ。長靴に水がしみこんでも、新聞紙を詰め込んで、はいたものじゃ。皆の衆よ、雨を楽しんでおるかのう?
苦手な飛行機に乗って、佐賀県は武雄市に行ってきましたよ。
テレビ番組「アテンションプリーズ」に影響されている、頭の中だけがかわいいお坊ちゃま、ついつい客室乗務員に目が行ってしまうんです。「この中に、OJTの人はいるかな?」「厳しい訓練のたまもので、今日のフライトになるんだなあ」「あ、コップにはもう少し手を添えて!」「機内アナウンス、ちょっと話すスピードが速いんじゃないの?」「さてさて、あの笑顔はどこまで続くやら?」なんて、一人で想像ばかりしていたのでした。そのおかげで、怖い飛行機もなんのその。気分は三上教官なのでした(だ、誰?それ?)。
武雄市でのコンサートは、すでに4回目。
「ぶる〜みんすまいるコンサート」というタイトルになってからは2回目。やる気満々の仲間たちです。たくましい(?)保育士さん達が中心の実行委員会で(高校生もいましたよ)、女性ばかりなんですが(一人、だんな様がビデオ係りでぽつんと。なんとも寂しそうでしたが…)、バンドも結成されているんです!ドラムス、キーボードはベースも含めて3台、そしてクラリネットと、なかなかの腕前。今回も挑戦してくれましたよ。『この手でつかみたい』から始まって、『笑顔がかさなれば』『少年少女冒険隊』と3曲も一緒に伴奏してくれたんです。リーダーが、CDを何回も聞きながら耳で楽譜を起こしてくれたんです。本当に、レコーディングの時のような感じで、心ワクワクでした。『やくそく』では、そのクラリネットとリコーダーが大活躍。CDをみごとなまでに、再現してくれました。
こんなふうに音がふくらんでくると、ついついはりきってしまうのがお坊ちゃま。いつもにも増してピアノを弾きまくってしまい、時間なんてなんのその。至福のひとときを味わわせていただいたのでした(広島しのもと照明の皆様、ごめんなさい。サッカー、観れなかったね)。
新しいアルバム『今日がダメでも また明日』を中心としてのコンサートは、今回が四つ目。
伊東市宇佐美から始まり、京都〜亀岡、そして武雄。思ったんですよ、コンサートって進化するんだなって。『おやすみスヤスヤ おやすミンジャー』の前のちょっとした劇、京都で「こんなんしたら、ええんとちゃう?」と突然思いついたお坊ちゃま。自分を「演出家 宮元亜門だ」なんてほざきながら、台本もないのに、その場で思いついためちゃくちゃな事を演技指導していたんですね。で、それを見ていた亀岡の仲間は、「ま〜た、ユズリンがいきなり変な事を言わはるで。かなわんなあ。せや、その前にうちらで作っておこう」と、自分たちで台本もきちんと作って練習してくれていたんです(註:こんな会話があったかどうかは、不明)。てなわけで、亀岡では「演出家・偽宮元亜門」は封印されてしまったのでした。
ほんでもって、武雄というわけなんですが、何が進化していたかって言うと、台詞が全部、佐賀の土地の言葉だったんです。そうそう、つまり、いわゆる方言なんですよ。これがさあ、すっごいったらありゃしない!リハーサルを見ていたお坊ちゃま、何を隠そう、半分以上まったく理解できなかったんです!教育学部の英語科出身であるにもかかわらず、わからない言葉だらけ…!(って、関係ないじゃん)
あなたには解読できるか?ちょこっと紹介しますので、挑戦してみてくださいね。なお、解答は「まるごと佐賀弁答えて、お坊ちゃまと全サマカレに参加し、へとへとになるぞ〜!」宛てまで(だからないってば、そんな係りは…)。
前略
A:あ、わっかった! そいぎさ〜、えすか話ばしゅうか!
B:え〜、なん? そい〜?
A:今日、友達から聞いてきたとさ。がばい、えすかて〜。
C:なん? なん?
中略
B:あ〜っ……。
A:何した?
B:おしっこ、行きたか……。ちょっとついてきて〜。えすうして行きえん。
C:いやばい。一人で行ってきんしゃい。
B:え〜っ、行きえんて……。あ〜、もうよか。我慢すっ。
A:行ってきんしゃいて〜。しかぶっよ〜。
後略
ど、どうですか?わ、わかります?
会場は、大爆笑にもかかわらず、あたしゃねえ、寂しかった…。このお坊ちゃまが、その笑いについていけないなんて……。
「がばい」がわからん!「えすか」がわからん!「しかぶっ」もわからん!(「しかぶっ」は、後に、おねしょだと判明しました、以上、ご報告まで)
わからないくせに、なんだか、無性に温かさやなつかしさを感じてしまったお坊ちゃま。また、ピンとひらめいてしまったのでした!(出ました!演出家・偽宮元亜門の復活!)
「そうだ!良かこと思いついたと!“生命歌いましょう”の歌詞をこの言葉で朗読してもらうばい!うん、良かよ、良か!すばらしかアイディアと!」
『生命(いのち)歌いましょう』 〜佐賀のお国言葉編〜
1.目覚めた朝 見上ぐっ空に みんなの顔の 映っとー
笑いよっ顔も なみだん顔も みんな みんな映っとー
そん なみだん かわくごと 歌い ささぎゅうね
悲しみ いっちょでん 消ゆっごと 空にささぎゅうね
2.世界中の 明日こそって 小さか夢ば ねごうとっ
手さぐいでん 届かんでん みんな みんな 願うとっ
そん夢に 近づくごと 歌い ささぎゅうね
あきらめ いっちょでん 消ゆっごと 明日に歌うばい
3.どこにおってでん 生命(いのち)はいっちょ あんたも こん世にひとい
輝きたか〜 愛し合いたか〜 みんな みんな いとおしか〜
そん生命(いのち)の光っごと 歌い ささぎゅうね
苦しみ いっちょでん 消ゆっごと 生命(いのち) 歌おうね
平和な日の くっごと 歌い ささぎゅうね
にくしみ いっちょでん 消ゆっごと
生命(いのち) 歌おうね 生命(いのち) 歌おうね |
一番は普通に歌い、二番と三番を朗読してもらったんです。その瞬間、会場には何ともいえない空気が漂いました。僕が歌うよりも、もっともっと染み渡っていったのでした。それを受けて、さらに英語で『A Song for Life』へと続いてゆくのでした。
何でもかんでも統一するというのは、味気ないものですね。井上ひさしさんの本を読んだ時も感じたんですが、この日、その思いを新たにしました。人の心は自由、人の心は無限大なのです。
あなたのお国言葉で話したら、どうなるのか、是非、翻訳(?)して送ってくださいね。「うちん言葉で言うたら、こんなんなりましたわ。SBSラジオでも紹介してちょんまげ」宛てまで、ふるってご応募くださいね(あ〜あ、また悪い癖が出ちゃった)。
このコンサートには、ほんに、いろいろな所から来てくれておったそうじゃ。佐賀はもちろん、長崎、佐世保、唐津、柳川、博多、大分の別府(この冬におじゃました小学校のご家族じゃよ)、それに、関西や関東からもじゃ。来年は、秋に開催が決定じゃ。また、来てくれぞなもし。待ってるぞえ。
お坊ちゃま ほとんど方言 ないずらよ へんちゃか ぺんちゃか
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