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熊? くま? くんま?

2006.2.13

グラビアの 写真じゃなかった どっひょっひょ へんちゃか ぺんちゃか

写真 お寒うございます。
それにしても、まだまだ寒いのう。風は冷たいのじゃが、何の気なしに見せる太陽の笑顔は、春じゃよ。それに応えるかのように、水仙も咲き、梅のつぼみもふくらんできたぞなもし。花いっぱいの春にしたいのう。おお、そうじゃった、そうじゃった。前に話したグラビア写真のことじゃが、やはり、グラビアではなかったぞなもし。えっ?そんなこたあ、はなっからわかっておったと。こりゃまた失礼。学研のピコロという雑誌で、踊りの「きっとできる」の図解だそうじゃ。マントやら、腕輪やらしての撮影で、顔がひきつっとったわい。この写真、見てつかあさいよ。スタジオに入る前から、こんなに浮かれておって、こまった柚坊じゃな、ほんに、ほんに。一緒に写真に収まった、見ず知らずの幼稚園の子とも、すぐに仲良くなったそうじゃよ。まっこと、小さな子どもとは息が合うのう。それとも、子ども達が合わせてくれとるのかのう。わしにゃあ、理解できんわい、うっひょっひょ。


二月ですねえ。
風邪がはやりだしていますが、大丈夫ですか?ある小学校で4クラスも学級閉鎖になったため、コンサートが中止になってしまいました。健康第一です!とにかく、外出時は「マスクマン」に変身して、歩きましょうね。

どのコンサートも素敵なことは当たり前なのですが、今回、忘れられないコンサートを経験しました。静岡県の天竜(現、浜松市)の「熊」という山奥でのコンサートなんです(あ、失礼!)。で、でもね、信号機…なかった!横断歩道…なかった!途中に民家…なかった!あ、似ている!こ、これは、あの時に似ている!そうです。この日記を読み続けてくださっているあなたには、もうおわかりですね。2005年2月22日の日記、長野県の新野にそっくりなんです(ということは、岐阜県の加子母にもそっくりということになるのであった!)。
写真
その「熊」にたどり着くためには、人里からいったん離れなければなりません。山の中へ、中へと入るのみ。本当にここでいいの?と叫びたい頃、ようやく宿場のような雰囲気を漂わせた村(?)に出くわします。橋の手前が分かれ道。そのたもとには、「ユズリンコンサート会場」「ユズリンコンサート駐車場」と書かれた手書きの立て札が、すでに取り付けられていました(あ、広島のお寺でのコンサートの時もそうだった)。この状況に、なぜか胸がふくらむばかりのおぼっちゃまなのでありました(お腹は、とうに膨らんでおります、はい)。

写真コンサート会場になる場所の公民館に到着すると、その期待は大当たり!
木の香りのする落ち着いた建物。控え室にはおおっ、コタツではありませんか!そしてそこには、実行委員のお母さん方と、すでにセッティングを終えた音響さん方がいて「よ〜く、来てくれたぞなもし」と、迎えてくれたのであります。

写真会場のステージバックには、熊小学校全児童19人のみなさんが床に寝転んで自分のからだをなぞり、自画像を描いたという絵が飾られています。一人ひとりの特徴が出ている、なんとも楽しい絵ばかりです。授業中ではなくて、放課後、集まって描いてくれたとか。

扇風機がの〜んびりと回る天井からは色とりどりの風船がつるされ、まんさくの花がニコッとほほえみ、座っても寒くないようにとジュータンが敷かれ、思いやりいっぱいの会場なのでした。

写真「きっと旅続きじゃから、駅弁ばっかりじゃろうて、家庭の手作りの野菜中心にせにゃ、な。」
と、おばあちゃん達が作ってくれた夕飯には、絵手紙と一緒に、なんと、お品書きまであったんです。里芋の味噌汁もあったかだし、口に広がるすべての食べ物が、じんわりとお腹に、そして心に染み渡るのでした。

写真
写真

「このコンサートを開くに当たって、公民館館長さんや、みなさまの快い協力がありました。そのおかげで、この小さな熊にも、ユズリンを呼ぶことが実現したのです…。」
と、実行委員長のお母さんが、会場に集ってくださった200人近い人に、感謝とお礼を述べるのでありました。世帯数が約300と聞いたので、「全村民が集まったぞ〜!」と言ってもけっして過言ではない一大イベントになったのでありました!(ご、ごめんなさい、言い過ぎました…。)
子ども達は30人ほど(幼稚園や中学生も含めて)。あとは大人という、僕にしては珍しい年齢構成でしたが、とにかく、見つめてくださる目が、優しくて、温かくて…。中学生の女子も、男子も、父さんも母さんも、じっちゃんも、ばっちゃんも、楽しげに参加してくれて、手をつないだり、肩を組んだりしながら、夜は更けていくのでした。

最後の感想をくれた、六年生の「た○と君」。
「ぼくは、今日までずっと楽しみで、昨日の夜もなかなか眠れませんでした。それと、授業中も気になってしまい、勉強どころではありませんでした。」
小学校の先生が全員いる前で、「○く○君」は堂々と語るのでありました(会場中が苦笑いでした、はい)。

こういう、人の優しさ、ちょっとした思いやる気持ちが重なり合えば、子ども達も、すくすくと伸びていくんですよね。もちろん、大人もね。『人は、人と人の間で育つ』ことを、あらためて感じさせてもらえた、熊でのコンサートでした。熊、熊、熊……あ、これはですね、「くま」じゃなくて、「くんま」と言うんですよ。はい、ごいっしょに!「く・ん・ま!」

加子母…かしも。新野…にいの。熊…くんま。
僕のお気に入りのところは、みんな読み方に味がありますねえ。いいですねえ。
「どんどん、地名も変わってしまう日本だけど、どうか、人の心は変わりませんように…。」
くんまの夜空にまたたく星に、そんな願いを込めながら、帰り道を走るおぼっちゃまなのでありました(もちろん、車でですよ。あの道を一人で歩くのは、それこそ熊に襲われそうで、怖いのでありました。あ、またまた失礼)。

きみぼくの 歌のとおりに 花が咲く へんちゃか ぺんちゃか