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いのち かがやけコンサートin広島

2005年05月12日

へんちゃか ぺんちゃか さわやかな 五月の風が ほほなでる

五月はいいもんだぞえ。梅雨入りする前の、なんとも言えない空気の優しさがあるんじゃのう。いっぱい、いっぱい感じるな〜も。それにのう、こないだは、蒔いたのに忘れておった芽が出ていたんじゃ。花まで咲いているんじゃよ。いやあ、まいったまいった。わしも歳かのう。ウオッヒョッヒョ。こうやって、あっちこっちから「花びら便り」が届くんじゃなあ。便りは人からだけじゃないんじゃな。自然界すべてから届くんじゃ。あんたには、それを読める目があるかどうか、そこなんじゃよ。わしかい?わしゃあ、眼鏡をかければ文字は見える。はずせば、真実が見えるんじゃ。ウッヒョッヒョ。

写真 ♪みんな生まれる を歌ってきましたよ。
会場は、広島県草津にある「教専寺」。
JR広島駅から、JR西広島駅まで10分。そこで、まるでドイツのターミナルのような(行ったことないけど、雰囲気ね。あくまでも、そんな感じ)広島電鉄の、明るい光に満ち溢れたホームまで徒歩30秒。そのこじんまりしたターミナルで二両編成の宮島行きに乗り継ぎ、家々の間を縫って走ること10分。あっという間に目的地の草津駅に着きます。お店のひとつのような、町に溶け込んでいる小さな駅で降りると、魚屋さんがあり、その向こうの橋のたもとには大きな看板がありました。
「ゆずりん いのちかがやけコンサート」
そうです。♪みんな生まれるの原詩を書いた、岩井良憲君の七回忌のためのコンサートなのです。今回、歌う曲目も構成も、すべてがおぼっちゃまに任されていたのです。自分のコンサートならばアイドル路線ばりばり(いつまで続くやら)で好き勝手に考えるのですが、こんなかわいいだけが取り柄のおぼっちゃまとて、人の子。前日まで考えあぐねていました。どうしよう、どんな歌を歌ったらいいんだろう…?

コンサート会場は、教専寺の本堂。
写真もう、音響さん(CD『Invitation to YUZZ』の特典DVDに登場する、歩き方が妙に迫力あるまこブヒ君です)が準備してくれています。おぼっちゃまが緊張しているのを知ってか知らずか、またやってくれたんです。それはね、キーボードのセッティングの仕方!畳の上にじかに置いてあったので、「ああ、まだこれからイスとか用意するんだ〜」としか思っていなかったのです。でも、でもでもでも、よ〜く見たら、なんとイスの代わりに座布団!マイクだって低い位置にわざわざ用意!足踏みペダルは左手の位置に!まるで、和尚さんがお経を唱えるかのような準備なのです!もう、緊張感が吹っ飛んでしまい大笑いです。
「もう、中山さんがいつ気づくか、ワクワクしていたんですよ…。」
あ、もしかして、これって歩き方が妙に迫力あるまこブヒ君が僕をリラックスさせようとしてやってくれた事だったのかなあ?うん、うん、きっとそうなんだよね。やっと今、きみの優しさに気づいたよ。ありがとうね、歩き方が妙に迫力あるまこブヒ君!(詳細は写真を。あ、まこブヒ君の顔じゃなくて、セッティングのね)

そんなこんなで、コンサートは良憲君がベッドでずっと歌い続けてくれた「DO MY BEST!」から開まり、「きみがぼくの“元気”」へと移ります。明るいメロディ、軽快なリズム、しかも踊っているというのに、ダメ・・・。おぼっちゃま、涙が出てきてしまったのです。聞いている方々も目は真っ赤だし、ハンカチ出して、涙をぬぐっているし、この歌詞にもぐっときてしまったのです。でもね、このままおぼっちゃまが泣いたら、よけいに悲しくさせてしまうでしょ?ゆえに、本当にふんばって、このか細いお腹に力を入れて、仕切り直しをしたんです。涙をこらえて、笑顔を取り戻したんです。
「今日は、もちろん悲しいけど、新しいスタートラインを引く日にしなきゃ!かわいいアイドルとして、責任を果たすのだ!」
ううっ、なんてけなげな、か細いおぼっちゃま!

「笑顔がかさなれば」で、ようやくいつもの調子を取り戻し、「スキスキ大好き」でお互いをほめちぎり、法要だというのにはしゃいだ笑い声が響き、本堂だというのに老若男女(正確には老老若男女ね)で「少年少女冒険隊」を踊りまくってしまったのでした!「逢いたくて」「あなたがいる時代に生まれ」、そして「みんな生まれる」は、来てくださった方全員で手話まで覚えたのでした。

とまあ、そんなわけで小学校に入学したばかりの子ども達のあどけない笑顔や反応に助けられ、おじいちゃんや、おばあちゃん方のもみじ饅頭色の声援にも励まされ、無事に三時間の(な、長〜い!)お経は終わったのでした(じゃない、ま、まちがえた、コンサートね)。

和尚さんが教えてくださいました。
「自分たちと違う宗派だからと言って、私達は他を排除しないんですよ。仏の教えは、みな同じなのです。」(以上、広島弁を翻訳済み)
開演前のこの言葉に勇気をもらい、自分の考えている事に自信を与えてもらえました。今、僕が「生命歌いましょう」の英語版「A Song for Life」を歌う意味も、和尚さんは教えてくださりました。実は、このことは栃木県の和尚さんからも四月に教わったことなのでした。まったく同じでした。
日本のお寺から、世界のいがみ合っている宗教の人に届きますように…。戦争をしようとする人に理解してもらえますように…。それはそれは、なんとも、不思議な感覚なのでした。

そして、その不思議な感覚の理由が、ようやくわかりかけてきました。
それは、生命(いのち)がそこに集まったのではないかなあと思うんです。今を生きている人のみならず、亡くなってしまった人の生命までもが、そこに集まったということなんですね。胸の真ん中にある、人を深く思う気持ちや思い出、愛が、再びよみがえらせた生命とでもいうのでしょうか?生命のリレーが見えたように思えたんです。お寺って、もしかしたらそんな原点の場所なのかなあ?


おぼっちゃまも、単なるアイドルじゃないのう。こうして、少しずつじゃが成長しよる。うんうん、えらいえらい。さあて、もうひとつ話そうかのう。おぼっちゃまが、学校コンサートで出会った女の子の話じゃよ。

彼女は生まれた時からの病気で、障害があるんじゃ。そしてのう、かわいそうに、その事で幼い頃からいじめられることもあったんじゃ。最近では、小さい子からも、傷つく事を言われてしまい、一人、黙って泣いている日々が多かったそうじゃよ。そして、そんな日は落ち込んでしまい、二〜三週間も黙ったままなんじゃと。
しかしじゃ、先日、やはり入学したばかりの一年生にその障害のことを言われた時に、「生まれつきの病気なんだよ」と、はっきりと自分から説明したんじゃ。すると、今までからかっていた一年生達が「うちのお母さんにもあるんだよ。がんばってね。」と声をかけてくれるようになったんじゃ。こりゃあ、すごいのう。彼女のきっぱりした態度が、一年生の小さいながらも持っている「人としての」心に通じたんじゃな。つらいじゃろうに、彼女はほんまに、よく話したもんじゃ。
そんな彼女の日記の余白には、必ずと言っていいほど、毎日同じ言葉が書かれてあるんじゃよ。
「きっとできる・笑顔でいきましょう」とな…。

さあ、おぼっちゃまもいよいよパワー全開じゃよ。歌っている意味をもっと、きちんと考えるんじゃぞ!そして、歳に負けんように、気いつけんさいよ!腰と膝には、エアーサ○ン○ス、口びるには歌を、心にはアイドルスマイルじゃ!ウッヒョッヒョ。

へんちゃか ぺんちゃか 臭うぞなもし