ああ、やっと、やっと取れました。
そうです、子どもの頃にあこがれていた、永遠に続くと思っていた、あの夏休みが!
いつもだと、ついうじうじと部屋に縮こまってしまうのですが、今年は勇気を奮い立たせ、思い切って、今まで行ったことのない遠くへと出かけてみることにしました。
とは言っても飛行機苦手のおぼっちゃまゆえ、残念ながら海外ではありません。
なぜか、どういうわけか、電車好きなおぼっちゃま。ついつい駅のポスターに目を奪われてしまいます。そんな僕が、最近特に気になっていたのは「東北」の温泉なのです。東北新幹線「はやて」の営業戦略にまんまと乗せられたんじゃないの?って言われそうですが、そうです、そのとおりです。まんまと乗せられたのです。いえ、乗ったのです。いや、正確には自分で切符を買って、新幹線に自ら乗ったのでした!
目的地は青森県、ランプの宿「青荷温泉」。
本当にランプしかなくて、昼間なのに宿の中は暗いのです。帳場(フロントと言ってはいけません)で受け付け(チェックインと言ってはいけません)を済ませ、部屋に入ったら、な、ない!ないんです。電視機械(テレビと言ってはいけません)、冷蔵庫、お手洗い(トイレと言ってはいけません)に風呂、そして、電気の差し込み口(コンセントと言ってはいけません)までもがないんです!しばし考えこんでしまいました。な、なぜなんだ…。なんで、ないんだ!しかし、その答えはすぐに見つかったのでした。そう、ここは「ランプの宿」だったのです!うっひょっひょ。
とにかく、する事はひとつ。お風呂巡りしかありません。
四ヶ所のお風呂に、ただただ浸かるだけ。山奥ゆえ、木々に囲まれ、景色は抜群です。露天風呂は川沿いにある混浴の一箇所ですが、他のお風呂もすべて窓が開放できるので、空までもが見える露天と同じ気分になれます。滝が見える湯船もあります。ひばの木で作られた浴槽の香りが何とも言えないし、心地よい秋の風になでられ、極楽そのもの。いつしか、おぼっちゃまの色白のお肌も、ほんのりと赤く染まってゆくのでした。え、そんなの想像したくないって。これまた、失礼しました。うっひょっひょ。
夕飯も大部屋に、その日の宿泊者が全員集まり、合宿のようにいただきます(人気(ひとけ)がなかったのに、たくさんで驚きました)。しかし、しかしですよ。またまた困ってしまいました。ランプの明かりしかないゆえ、部屋のみならず、お膳(テーブルと言ってはいけません)の上もよく見えないんです。いったい、自分は何を食べているのかが、わからないわけです。山菜に違いないとまではわかるのですが、その食材がわからない!みんな、細長くて黒っぽく見えるのです。口に入れて、初めて判明する料理の数々なのでした。
この頃、近くが見えにくいおぼっちゃまとしましては、まさに「やみ鍋」をつついている状態だったのでした。
手に汗握る宴(うたげ)も終わり、部屋に戻ったものの、す、することがない!
売店のお兄ちゃんいわく、「ここは、大人がたいくつを楽しむ所だからねえ(日本語に翻訳済み)」。その言葉をかみしめながら、自分で布団を敷き、川のせせらぎ(大雨の影響で、かなりの「せせらぎ」でしたが)を子守唄に、四畳半ひと間の空間に身をまかせ、おだやかな静かな眠りにつくのでした。時刻は七時半。ああ、なんて健康的なおぼっちゃまなのでしょう。うっひょっひょ。
次回は雪の季節にと、すでに思いをめぐらせています。
とにかく山奥なので雪が心配ですが、売店のお兄ちゃんに尋ねてみたところ、「冬場は雪上車が出るからね、道の駅まで車で来れば、迎えに行くよ(日本語に翻訳済み)。」
乗ってみたい。電車もいいけど、雪上車に! ああ、なんて浪漫的魅力満載!(ロマンティックと言ってはいけません)
あなたも、一度、行ってみてはいかがですか?
ただし、売店のお兄ちゃんと話す時は、くれぐれも心して。ちゃんと翻訳できるように勉強してから行ってちょ。うっひょっひょ。
さて、秋のコンサートも順調に進んでいますよ。
一人の男の子が先生の心を揺さぶり、ついに実現した小学校や、全校児童わずか11人という山奥の小学校にもうかがいました。さらには、10年以上ぶりに訪れて、なつかしい再会だらけのコンサートもありと、毎日が新鮮な感動の連続です。笑顔に包まれて元気いっぱいです! 新曲もできたし、秋風に吹かれて歩きま〜す。
もしかしたら、「えっ」と言うようなお知らせができるかもしれません。日記、なかなか書けませんが、注意して見てくださいね。お楽しみに!
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