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生命歌いましょう

2003年4月8日

  4月に入りましたね。みなさんは新しい生活にどっぷりと入り込んでいるのでしょうか。僕にとって、4月は少々のんびりできる季節でもあります。この時期は毎年、体力づくり! ダンスしながら歌うのって、けっこう大変なんですよ。サマーカレッジに向けてちょっとずつですが鍛えています。足は第二の心臓とも言われますからね。まずは歩くことからです。

 さて、このところ僕の仕事の中でちょっとした変化があります。それは、小さなホールでのコンサートがちらほら入りはじめたということです。今までは、子ども達のためにと実行委員として働いてきた大人の方々が、「たまには自分たちのためだけに、じっくりと聞きたい」と企画しはじめたんです。
 先日も大阪の小さなホールで歌いましたが、じつはこの企画のはじまりは金沢なんです。今年が2回目の取り組みだったんですが、題して『大人のためのコンサート With You 第二楽章』です。
 芸術村という名前のよい感じの部屋。そう、ホールというよりも部屋ですね。いすも背もたれがなくて、ベンチのようなものです。木の香りが漂ってきそうな、こじんまりとした部屋に昨年の倍の人数、120人もの方が来てくださいました。満席です。ちょっとだけ高さのあるステージには、大きな花瓶に桜の花が満開です。そんな中、和気あいあいとはじまったのでした。
 何を歌っても、何をしゃべっても大丈夫という保障付きなので気も楽です。しかし、逆にひきしまるから不思議なものですが…。せまい部屋にはすぐに歌ってくれる声が響き、まさに、みんなで作っているコンサートになりました。知っている歌があれば黙ってはいられないという空気が流れます。うれしいですね。また、大人だけという安心感もあって、日頃言わない愚痴までも聞いてくださいました。ちょっと話しすぎたかなぁと思いきや、「共感できます。もっと聞かせてくださいね」なんていう感想まであって、びっくりでした。みんなも苦労しているんだなあ。ま、たまにはいいでしょう。本音も大事よね。ためすぎると爆発しちゃうからね。

 そして、今回も歌いましたよ。
 「生命歌いましょう」です。戦争になりそうな気配に満ちていた3月のはじめ。どうしても、いたたまれずにできた曲がこの歌でした。僕にしたら、めったに使わない言葉を使わざるを得ませんでした。はっきりと言うしかないのか…少しくやしい思いはありましたが(直接的な表現にたよるしかない、というのは歌を創るうえでちょっと寂しいんです)、今はずばっと単純に言おうと決心したんです。

 「にくしみ」・・・過去、書いたことがない言葉です。「ささげる」、これもありませんでした。こんな歌を書かなくてはならない時代になってしまったことに、怒りを感じます。
 3番からはマイクを通さずに生の声とピアノ。なぜなら、電気を使うことすらいやだったのです。この僕がこんな決意を持つなんて、考えられないことです。とにかく、むずかしい話はおいといて、まずは攻撃をやめてほしいのです。
 この頃うれしい事もあります。それは、有名な方々が反戦の意思を表明していることです。歌手の宇多田ヒカルさんも、ホームページで「戦争は好きになれない、そして無関心な人も好きになれない」と書いています。芸能人の立場は複雑ですね。少しでも、こういう発言をしたら干されますからね。それなのに、宇多田さんをはじめ、多くのアーティストやスポーツ選手が堂々と発言しています。すばらしい若い人たちです。
 
 僕も微力ですが、自分のできることをしていきます。それぞれの表現で。
 金沢の”のまりん”が紙芝居をしてくれました。「ワニがめんどりを食べないわけ」だっけかな? 感じる所がいっぱいあった紙芝居でした。それぞれの方法で、共生を訴えていきたいなあ。

 さて、もうひとつはオルゴールの宣伝です。

 みなさん、昨年は10周年をお祝いしてくださるコンサートありがとうございました。それを記念して、僕の代表作でもある「少年少女冒険隊」のオルゴールを作りましたよ。〜歩き続けてゆこう 森も野原もこえて きつね むささび あひる ついておいでよ〜のメロディです。しかも、ピアノの形のケース入り。すてきな仕上がりになりました。是非、記念にどうぞ。1個3,000円です。限定品です。お早めにどうぞ。お問い合わせは東京音楽センター内・ユズリンオルゴール係りまで。