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ゆずりん、鹿児島へ飛ぶ

2003年3月9日

 第二話

 さて、出水市でのコンサートは夜。時間もあるので、養護学校に立ち寄りました。F君が「音楽集会をしているので、ちょっとだけでも、寄ってくれますか?」というので、軽い気持ちで、寄せてもらいました。それなのに、なかなか会場の体育館に入れてくれません。いえ、近づけてもくれません。おかしいなあ、と思っていたらいきなり「あ、どうぞ、入ってください」と言いながら、僕に渡したものは一本のマイク!何?と質問するよりも前に、スィッチを入れていたという、おそろしい条件反射のユズリンでした。

 何をしたかというと、「きみとぼくの間に」を先生方がバンドで演奏していたんです。その2番から入っていくという設定でした。しかし、僕が来るのを知っていたのはほんの2〜3人。F君いわく「ものまね番組みたいに、ご本人と一緒という感じでお願いします」。こういうのが決して嫌いじゃない僕は、もう完全にのってしまい、にこやかに入場したのでした。歌っていた先生は、顔が真っ赤!「CDが流れたと思った」と大騒ぎしていました。しかも、電子ピアノまであって、誰も弾いていないので、当然のことのように弾いてしまいました。あ〜あ、また、やられた。

 その後は、鶴を見に行って、しばしの休息でした。ここはね、鶴がいっぱい飛んで来るんだよ。この日も、まだ帰らない鶴がたくさん残っていました。一度行くといいですよ。のどかです。そうそう、からすも外国から渡ってくるんだって。これには驚きでした。

 さあ、いよいよコンサートです。

 リハーサルも万全。開演まで時間がないのですが、トン汁を用意してくれていると、前もって連絡がこれはあったので楽しみにしていました。すると、またF君が「寒いけど、外に出てもらえますか?」「なんで?」と思いながら搬入口から出たら、なんとそこには一台の車が! 軽トラを改造したような、居酒屋ゆずりん!が出現したのです。

 ほろをつけて、カウンターまで作って、ろうそくの明かりしかない、良い感じ。もう、憎い、にくい。コンサートがなければ、そこで一杯呑みたいような雰囲気です。後ろ髪をひかれる思いで、着替えに行くのでした。

 当初、コンサートに人が来てくれるか不安でいっぱいだったんだそうです。何が原因かって、まずは、僕の知名度の低さね。ま、こりゃ仕方ないよね。で、もう一つは、例の「しろくま」。この名前がいけなかった。怪しい団体だと思われたらしいんです。出水養護学校の有志とか書けば簡単なんだけど、ほら、実行委員会だから出せないでしょ? それで考えたのが「しろくま」っていうわけ。これじゃ、確かに近づきたくないよね。そうそう、「しろくま」っていうのはね、九州にある、カキ氷のことです。

 しかし、当日は300人も来てくれたんですよ。ホールは満席でした。車で二時間かけて・・・なんてざらです。みんな、本当に遠くからやってきてくれていて、感激でした。

 実行委員のみんながダンスも練習してくれていて、助かりました。かなりうまいし、手遊びや手話も完璧。しかし、しかしです。「しろくま」には惜しいかな、欠点がひとつだけあったのです。それは、打ち合わせどおりにはやらないという事なのです。うん?やれない? やらない? どっちだ?

 2番の後に出てね、というのに1番から出てきて、間違いだと気づいたら大慌てでひっこんでいき、客席は笑いのうず。練習どおりでいいんだよね、と僕が確認すると、そうですと言うから、そのつもりで「お助け忍者」を踊りだしたら、みんな僕のCDジャケットの写真のお面を付けているし、後半の与作の部分では、おかしなキャラクターがもう一人、いきなり歌舞伎役者のようなかっこうで登場して、桜吹雪をまき散らしていくではありませんか・・・。もう、完全に裏をかかれまくりました。こ、この僕がはめられるとは・・・。く、くやしい・・・。いろいろお願いすると「いっぱいいっぱいなんです」って言うのに、密かに作戦を練っているとは。 う〜ん、次回は、何かやってやる。

 そうそう、それで、出水の駅でのビデオね。覚えてますか? あれね、結局はF君が自分で全部考えたらしいんだよね。前夜に、官舎でぬいぐるみを着る練習をしていて、隣の部屋の先生にも、わざわざ見せたらしいよ。これで、迎えに行くんだけど、どう?ってね。だからさ、ビデオもうそさ。自分の記録用なんだよね。まったく、どこまで信用したらいいんだか、この僕がだまされるなんて、く、くやじい!

 今度、行く時があったら何かしなきゃね。 いたずらの虫がさわぐのだ。

 え、次回?あるんですよ。もう、話が始まっているらしいしね。そして、もちろん、居酒屋ゆずりんもね。みなさん、一度いらっしゃいな。素朴な大将がやっている、居酒屋ゆずりんに。ここのトン汁は最高さ!もちろん、BGMもユズリンさ。

 と、鹿児島の愉快すぎる旅は幕を閉じていくのでした。でもね、わかってきた事があるんだなあ。鹿児島というか、九州の人って静かなんだけど、心の中は熱いということが。顔にはあまり出さないんだけど、情熱がすごいってことが。

 またまた、鹿児島も好きな土地のひとつに加わりましたよ。たとえ、5〜6軒で商店街が終わっても、ホテルに加湿器がなくて、鍵はフロントに置きっぱなしでも、人が歩いていなくて鶴だらけでも、それでも僕は枕崎や出水が好きさ!また行くよ。

待っててね。